つんどく君のつまみ読み

何冊もの本を床に積み上げて、同時並行で少しずつ読んでいます。印象に残った言葉などを記録していきます。

『本を読めなくなった人のための読書論』(若松英輔著、亜紀書房、2019年)

 文章自体が読みやすく、レイアウト的にもゆったりスペースが取られていて、とても読みやすい本だった。今の自分に合っていると感じた。心に響く言葉が多かった。

 

<印象に残った言葉>

・まず、あせるのをやめましょう。あせることが「読める」ようになることを邪魔する。むしろ、時間をかけて「たしか」にできるようになることだけが大切。言葉は、多く読むことよりも、深く感じることの方に圧倒的な意味がある。(p.49)

・読むべきときに読むべきものが読めたとき、私たちはほんの数行でも、あるいは、たった一つの言葉によってでも人生を変えられる、という経験に遭遇します。(p.67~68)

・私たちに求められているのは、速く、多く言葉を読むことではありません。今、ほんとうに必要なコトバ(豊かな不可視な「意味」を含んだもの)に出会うことなのです。(p.72)

・言葉は、人の見方や考え方を変えるちからをもっているだけではありません。ときとして世界そのものの意味を変革させるほどの威力をもっています。(p.74)

・言葉は薬草にもなる。言葉は植物と似ている。漢方薬のように、心の傷を癒し、生命力を回復させることもある。(p.90)

・人がよいと言ったものではなく、自分がほんとうに必要だと感じたものを必要なときに手にする。その言葉は、たった一行の、あるいは一つの言葉である場合も少なくない。(p.91~92)

・できるだけゆっくり読む。ただ、言葉と向き合う。(p.142)